シリーズ:その他

かかとの痛み続く踵骨棘 加齢や運動量多いと発症

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 57歳女性。右足のかかとが痛くなり、整形外科で踵骨棘(しょうこつきょく)と診断されました。エックス線で見ると、とげのような骨のでっぱりができていました。湿布を貼っていますが症状はあまり変わりません。どんなことに気をつけて生活すればいいでしょうか。(横浜市・H)

 【答える人】中島健一郎・八潮中央総合病院医師(整形外科)=埼玉県八潮市

 Q どんな病気ですか。

 A 踵骨棘(しょうこつきょく)は足底腱膜炎(そくていけんまくえん)と呼ばれる病気の一つです。足底腱膜は、かかとと足指の付け根をつないでいる弦のような組織で、歩くときの衝撃を和らげてくれます。エックス線画像でとげのように見えるのは、腱膜にできた小さな傷が元に戻りきれず、骨に置き換わったものです。痛みを伴うことがあります。

 Q 原因は。

 A 一つは加齢です。長年の負担で少しずつ足底腱膜のかかとの部分が傷むというものです。40、50代でなる人が多いです。運動量が多いサッカー選手などは20代でなる人もいます。ほかに、肥満の人や立ち仕事の人、マラソンが趣味の人などもなりやすいです。

 Q 治療法は。

 A 湿布を貼ったり、痛み止めをのんだり、痛い部分をくりぬいたインソールを使うことや足裏へのテーピングなど、まずは保存療法で様子を見て下さい。9割の人が6~10カ月で良くなると言われています。ストレッチも有効です。患者さんの83%はアキレス腱(けん)が硬くなっているという報告があるので、伸ばして下さい。足の指を反らせ、足底腱膜自体を伸ばして柔軟性をもたせる方法もあります。

 Q 改善しないときは。

 A 患部に衝撃波を当てる治療や内視鏡を使って足底腱膜を切る手術があります。切った人の85%が改善したと言われていますが、まだできて十数年の治療なので長期的な影響はわかっていません。近年になり、やっといろいろな治療が出そろったところです。保存療法を続け、それでも痛みの引きが思わしくない場合、主治医と相談してさらなる治療を検討して下さい。

 

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