がん検査薬を私的独占容疑、製造大手に立ち入り 公取委

矢島大輔
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 がん検査に使われる放射性医薬品をめぐり、製造大手の「日本メジフィジックス」(東京都)が他社の事業を不当に制限した疑いがあるとして、公正取引委員会は13日、独占禁止法違反(私的独占)容疑で立ち入り検査をした。公取委は、同社が他社の参入を妨げることで市場を独占し、薬剤の価格を高止まりさせるおそれがあると判断した模様だ。

 日本メジ社は、がん細胞を見つけるための「PET」(陽電子放射断層撮影)検査で使われる薬剤を2005年に国内で初めて販売し、その後は市場をほぼ独占してきた。

 関係者によると、同社は富士フイルムが14年に新規参入を発表すると、薬剤の投与装置を開発するメーカーに対し、富士フイルムの薬剤に対応する改良を行わないよう圧力をかけたほか、両社の薬剤に対応できる装置が開発されると、病院側に「この装置は自社の薬剤には使えない」とうその説明をして装置を使わせないようにし、富士フイルムの事業を妨げた疑いがある。

 また、卸売会社に「富士フイルムと取引をするなら、うちの薬剤は扱わせない」と伝え、日本メジ社より低価格で納入しようとした富士フイルムを排除しようとした疑いがある。

 日本メジ社は取材に対し、「検査には真摯(しんし)に対応する」と回答した。(矢島大輔)

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