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 東芝は13日、7千億円程度の自社株買いを実施する方針を決めたと発表した。半導体子会社「東芝メモリ」の売却で得た約1兆円の売却益を活用した株主還元策と位置づける。

 自社株買いは株価の向上につながりやすく、代表的な株主還元策の一つ。東芝が実施するのは初めてで、可能な限り早く実施できるよう検討するとしている。

 東芝は昨年12月、債務超過を解消して上場廃止を回避するため、約6千億円の増資を実施した。第三者割当増資に応じた約60の海外投資家には「物言う株主」として知られるファンドも含まれる。経営再建が前進するにつれ、海外投資家から株主還元策を求められていたという。

 東芝は同日、株主還元の方針を「早期に説明すべきと考えた」とコメント。株主総会を27日に控え、「物言う株主」の要求に応じる姿勢を示した形だ。一度に7千億円程度を買い入れれば、自社株買いとしては国内屈指の規模になる。方針の発表後、東芝株は一時、前日終値比11%高騰した。

 ただ、株主還元に多くの資金を費やせば、稼ぎ頭だったメモリー事業に代わる収益源の育成に使える資金が減ることになる。

 東芝は13日、総額約6千億円を投じて買収した米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の経営破綻(はたん)などを踏まえ、「M&A(企業合併・買収)に関しては、特に慎重に対応する」との方針も発表。株主への配慮を鮮明にした。(高橋諒子)