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 訪日外国人の接客に、ネットを通じた「通訳サービス」が活躍している。大手量販店のように外国人従業員を雇う余裕のない小規模な店舗向けに、タブレット端末の画面で通訳とやりとりするシステムだ。年間2千万人を超えて増え続ける訪日客の取りこぼしを防ごうと、導入する店が急増している。

 6月上旬、大阪・心斎橋にある宝飾店「アイプリモ」を中国・上海から婚約・結婚指輪を買いに来たカップルが訪れた。接客カウンターにはタブレットが置かれ、画面に映る通訳が「こちらの指輪の購入でいいですか」などとやりとりを訳してくれる。

 同店に中国語を話せる店員はおらず、2年前にサービスを導入するまでは満足に接客ができなかった。導入後は「安心して接客できるようになった」(宮脇欣之介店長)ことで、4月の売上高の約3割を主に中国からの外国人が占めるまでになった。

 今春に導入した高級腕時計の販売代理店「オオミヤ」(大阪市)では、中国人留学生が週に1度勤務している。その他の日は漢字の筆談やスマホの翻訳ソフトで接客していたが会話が成り立たず、お客を逃すことが多かった。「おすすめが紹介できるようになり、売上高増につながった」(担当者)

 このサービスは、京都市のベンチャー「インデンコンサルティング」が開発。5カ国語に対応し、30分1万4千円など利用時間に応じた料金で、採用の手間などを考えれば外国人を雇うよりもコストが安い。導入先はこの1年で2倍超に増え、8千件に達した。

 同様のサービスを提供する「スマートボックス」(東京)でも、昨年度の売上高が前年の3倍になるなど導入は全国に広がる。ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏は「多言語の通訳を、必要なときだけ手頃な価格で使える利点は大きい。今後も一層、拡大しそうだ」とみている。(神山純一)