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【アピタル+】患者を生きる・スポーツ「アキレス腱断裂」

 スポーツをしていて起こることが多い「アキレス腱(けん)断裂」。リハビリの方法や再断裂の危険性について、東京都三鷹市の杏林大学病院整形外科の林光俊(はやしみつとし)医師(63)に聞きました。

 Q 断裂してギプスで固定中にできるリハビリはありますか。

 A 上半身や体幹のトレーニングのほか、ひざ、股関節の曲げ伸ばしなどです。ギプス固定による血栓を予防するため、足の指でタオルなどをつかむ練習も有効です。

 Q ギプスが外れた後は。

 A 足首の曲げ伸ばしや、装具をつけたままで自転車型トレーニングマシンをこぐことができます。装具もとれた後は、両脚でつま先立ちする練習を始めます。それが出来るようになったら軽いジョギングへと移り、けがの原因になったスポーツを始められるのは約半年後となります。

 Q 再断裂しないためには。

 A 再断裂はギプスや装具が外れた1カ月以内に起こることが多いです。特に1週間以内は要注意です。ギプスで固定されていたのが外れて行動範囲が広がった結果、転倒したり、階段を踏み外したりして、再び断裂します。日常生活を気を付けることで十分回避できます。

リハビリ中の注意点

 Q リハビリ中に気を付けることは。

 A けがから4カ月以上経過すると、ほとんど再断裂の危険性はなくなります。そのあたりから活動性の高い理学療法や軽いジョギングなどが可能になります。ただし、トップアスリートはこの時期にトレーニングが過剰になりがちです。アキレス腱炎になって患部に腫れや熱を感じることもあり、その場合は、数日おきに下半身のトレーニングを休んだり、積極的に患部を冷やしたりします。痛みまで出たら、2週間程度、下半身に負担をかける練習を完全に休みます。

 Q そもそも断裂を防ぐ方法はあるのでしょうか。

 A 運動前に準備体操をしたり、机に手をついて入念にアキレス腱を伸ばしたりすることは意味があります。しかし、アキレス腱断裂は突発的に起こるのが特徴です。日頃から鍛えているプロの選手でも、静止から急に動いたときは断裂を起こす恐れがあります。100%断裂を予防する方法はありません。(聞き手・水戸部六美)