静岡)抗がん剤投薬続け、肝機能不全で患者死亡
岡田和彦 宮廻潤子
県立静岡がんセンター(静岡県長泉町下長窪)は14日、県庁で記者会見し、抗がん剤治療を受けていた60代の男性患者が肝機能障害を起こし、医師が血液検査の結果を見逃したため、本来ならば中止すべき抗がん剤の投与を続け、その後、男性が死亡する医療事故があったと発表した。
センターによると、男性は直腸がんと肝臓転移のため、通院で昨年7月中旬から内服薬による抗がん剤(レゴラフェニブ)治療を受けていた。男性は抗がん剤の副作用で肝機能障害を起こし、8月上旬の血液検査では基準を超える値が出ていた。服薬をやめる必要があったが、担当医らが結果を見逃して抗がん剤投与を続けた。男性は2週間後に肝障害が悪化した「劇症肝炎」と診断されて緊急入院し、9月に死亡した。
センターでは、血液検査の結果を確認したことをカルテに転記するよう指導していたが、男性を担当した消化器内科の医師のカルテには検査結果を確認した記載はなかったという。医師は聞き取り調査に「確認したのか記憶にない」と話しているという。
センターが検証した結果、男…