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 統合失調症などの精神疾患にかかった初期の段階で、治療に加えて手厚い生活支援をすることで、症状が落ち着いたまま過ごせる確率を大幅に高められることが、東京都医学総合研究所などの研究でわかった。英国などで取り組みが進む手法で、日本でも今後、広がる可能性がある。

 この手法は「初期包括支援サービス」と呼ばれ、治療にあたる医師とは別に、看護師や精神保健福祉士といったスタッフが「ケースマネジャー」となって患者や家族のケアを担当。家庭を訪問して患者の困っていることを聞いたり、学校や職場を一緒に訪問して復学や復職を支援したりする。

 研究には都立松沢病院や東京大病院などが参加。統合失調症や双極性障害を発症した77人(15~35歳)のうち40人にこの手法を、37人には外来受診を中心とした通常の治療を受けてもらい、1年半後の様子を比べた。

 すると、目立った症状がなく落ち着いた状態が半年以上続く「寛解」と判断できた患者は支援サービスを受けた側で23人、通常の治療を受けた側では10人。初期の病状なども踏まえて解析すると、症状が落ち着く割合はサービスを受けた側が6・3倍高かった。薬を使う量が少なくてすむ傾向もあったという。

 こうしたサービスによる効果は、海外の研究でも報告されている。同研究所の西田淳志・プロジェクトリーダーは「患者にとって信頼できるスタッフと、発病後の早期から社会復帰に向けてともに歩めたことが回復への希望を生み、症状の安定につながったのではないか」と話す。結果は、精神医学研究の専門誌に掲載された。(編集委員・田村建二