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(14日、ロシア5―0サウジアラビア サッカー・ワールドカップ)

 試合開始から攻め続けているのに、どこかぎこちない。そんな開幕戦の緊張感に包まれた開催国ロシアを解き放ったのが、前半12分の先制点だった。

 CKのこぼれ球を、MFゴロビンがクロス。中央で待ち構えたMFガジンスキーが相手と競り合いながらヘディングでねじ込んだ。

 リードさえすれば、相手にボールを持たせ、じっくり守備を構える。サウジアラビアがボール運びでもたつくのを見逃さず、プレッシャーをかけてカウンターを狙う。チーム全体で徹底できた。2点目は、相手DFがもたつくところを奪ってからの展開で生まれた。まさに狙い通りの形だった。

 想定外も味方にした。攻撃を支えるFWジャゴエフが左太ももを痛め、前半24分に交代。その代わりに出たMFチェリシェフが2得点。さらに途中出場のFWジュバも得点するなど、交代策もあたった。

 7万8011人の観客がスタジアムに押し寄せた。ゴールラッシュに応援マフラーや国旗を振り回し、ロシアのファンだけでなく、他国サポーターも大声を上げた。スタジアムは興奮のるつぼと化した。

 開幕戦で5点以上の差をつけたのは、1934年に地元イタリアが米国に7―1で勝って以来。歴史的な大勝で得失点差も稼ぎ、開催国の義務と言える決勝トーナメント進出に向けて大きな一歩になった。

 ただ、チェルチェソフ監督は戒めることを忘れなかった。初戦を勝ちながら1次リーグ突破を果たせなかった昨年のコンフェデレーションズ杯を念頭に「ページをめくって、今日の試合のことは忘れ、次の試合のことを考えなければならない」。前日と同じ表情で、冷静さを貫いた。(河野正樹