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 子どもが待機児童になったり急に発熱したり、仕事をもつ多くの親と同様の問題に直面したとき、国会や地元での活動に「子連れ出勤」しているママ議員がいる。批判がある一方で、そうした働き方に理解を示す人も増えてきた。女性議員を増やそうという声が高まりつつあるなか、「個」の挑戦に終わらせず、より多くの女性が政治に加われるよう新たな活動も始めている。

 東京・永田町の参院議員会館の一室。執務机の前に置かれているのは来客用の応接セットではなく、大きな熊のぬいぐるみが座ったジャングルジム。国会議事堂を見渡す窓に、5歳の行里(あんり)ちゃんと3歳の帆那(はんな)ちゃんが、消せるクレヨンで家族の姿を描いていた。

 「お店屋さん始めるよ」「見て見て!」。ここは、ママの仕事場。2人にとっておなじみの空間だ。

 2人の母、伊藤孝恵参院議員(43)=愛知選挙区、国民民主党=は2016年に民進党から立候補し、初当選。会社員の夫、娘たちと暮らす東京の宿舎と、地元・愛知を行き来する。

 この春まで帆那ちゃんは保育園に入れず待機児童だった。愛知から両親に来てもらったり、ベビーシッターを頼んだり。それでもどうしようもない時に子連れ出勤していた。今も登園できない日や、夫と送迎をやりくりできない日などは議員会館の事務所で過ごす。

 「公私混同だ」「声がうるさい」「子どもがちょろちょろしていて仕事ができるのか」。当初はそんな声がたびたび聞こえてきた。今でも「僕はいいんだけどね、○○議員が『伊藤さんの子どもたち、ちょっとね……』と迷惑そうだったよ」などと他の議員から耳打ちされることがある。

 「ご迷惑をおかけしてすみませんと言うしかない。けれど、本当にどうしようもない時というのは誰にもある。議員活動と育児という自分の日常を、淡々と送るしかない」と伊藤議員。

 綱渡りの日々のなかで、「キッズスペース」がある議員事務所の存在は次第に知られるようになった。

 政党を問わず、事務所が近い議員や秘書が「一緒に遊ばせて」「少しだけ預かって」と子どもを連れてくることも。ジャングルジムは同僚議員からのお下がりだ。他党の議員が「もう息子は使わないから」とおもちゃを譲ってくれたり、地元から届いた果物を差し入れしてくれたりすることもある。子連れで陳情に来た人たちにも、「遊ばせられて助かる」と好評だ。

 ただ、徹夜で準備する委員会質問の前日や、外せない予定がある日は、夫が仕事をやりくりし育児や家事にあたる。逆に、夫の都合を優先し、夜の会合などに行けないこともある。「このごろ(支持者を)回ってないんだって?」。同僚のそんな言葉も胸に刺さる。

 「今のままではまだ、女性の親…

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