[PR]

 家庭内での子どもたちの受動喫煙を防ぐため、群馬県太田市は今秋、小中学生を対象とした調査を始める。たばこの副流煙を吸うとニコチンが体内で分解され、コチニン濃度が上がる特性を利用。尿に含まれる濃度を測ることで、受動喫煙量が確認できる。市は、たばこの有害性を保護者に認識してもらい、禁煙につなげたい考えだ。調査は全国的に珍しいという。

 清水聖義市長が12日、定例会見で発表した。調査は小中学校の各1学年を対象に実施。保護者の同意を得た上で検査キットを配り、自宅で採尿した検体を回収。専門業者が測定する。結果は保護者に知らせ、濃度が高い場合は市の保健師への相談を勧める。

 検査費用8千~9千円は市が負担する。対象者が計2千人の場合、検査費用は1800万円程度を見込む。市議会9月定例会に補正予算案を提出。今年度は10月に始め、12月には検査結果が出る見通し。市によると、調査は埼玉県熊谷市と神奈川県海老名市が実施している程度という。

 厚生労働省の2016年度の調査によると、県内でたばこを吸う成人の割合は22%で、全国ワースト5位。太田市は13年度から禁煙希望者を対象に、3カ月間の個別指導などで支援する禁煙チャレンジ事業を進めてきた。年50~60人の参加を見込んだが、昨年度の参加は8人だけ。禁煙成功者は2人にとどまるなど、成果は芳しくない。

 国会で受動喫煙対策法案の制定が進み、太田市議会でも受動喫煙防止を訴える女性議員らの動きが活発化している。市健康づくり課の担当者は「保護者に客観的なデータを示すことで、家庭での受動喫煙が子どもに健康被害を及ぼすことに気づくきっかけになってくれれば」と話している。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(長田寿夫)