のぞみ人身事故、JR西が謝罪 対向の運転士が異常報告
山陽新幹線のぞみ176号(700系、16両、乗客約200人)が博多―小倉駅間で人をはね、先頭車両の先端部分(連結器カバー)が破損した事故で、JR西日本の平野賀久(よしひさ)副社長らが15日に記者会見し、「4万人を超える多くのお客様にご迷惑をかけ、おわびを申し上げる」と謝罪した。
JR西によると、のぞみ176号の運転士は博多―小倉間を走行中の14日午後2時5分ごろ、「ドン」という衝突音を聞いたが、「小動物とぶつかったと思った。以前も大きなトラブルになっていないので、今回も大丈夫だと思った」と東京の指令所に報告しなかった。小倉駅でも点検せず、東京へ向けて出発した。小倉駅に到着した対向のみずほ615号の運転士が、カバーの破損に気づいて指令所に連絡。指令が新下関駅での臨時停車と点検を命じた。小倉駅の係員もカバーに血が付着してひびが入っているのに気づいたが、司令所に報告したのは小倉駅を出発後、指令が臨時停車を命じた後だった。
JR西は、昨年12月にのぞみ34号の台車に破断寸前の亀裂が入った問題を受け、「異常があれば迷わず停車して確認する」と再発防止を誓ったばかり。平野副社長は「(安全意識が)我々が目指しているレベルまで届いていないことを思い知った。組織全体で安全性を高めていきたい」と述べた。
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