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安倍晋三首相らが出席し参院決算委員会が開かれました。森友・加計学園問題や対北朝鮮外交などをめぐる論戦をタイムラインで詳報しました。

参院決算委員会の質疑終わる(16:58)

 安倍晋三首相らが出席した参院決算委員会の2016年度決算の質疑は午後4時58分、終わった。首相は北朝鮮による拉致問題の解決に向けた日朝首脳会談の実現に意欲を示したほか、大阪府北部を震源とする地震について「人命第一で取り組む」と強調した。

 森友学園問題をめぐっては、共産党の辰巳孝太郎氏が政府の内部文書を入手したとして政権を追及。5月の交渉文書の公表をめぐり、財務省や国土交通省の中で「国交省として、出すのが得策かどうか検討してほしい」「最高裁まで争う覚悟で非公表とするのだろう」などのやりとりがあったと記載されているという。

 首相と麻生太郎財務相、石井啓一国交相は、事前の質問通告がなかったとして答弁を避け、首相は辰巳氏の質問内容そのものを「架空の状況」と指摘した。今後の国会審議で政府側は説明を求められることになりそうだ。

目黒の女児死亡に首相「二度と繰り返してはならない」(15:00)

【東京・目黒の5歳児死亡】 安倍晋三首相は東京都目黒区で5歳の女児が虐待を受けて死亡したとされる事件に言及した。河野義博氏(公明)が政府の対応をたずねたのに対し、「どんな思いでああした言葉を書いたのか。胸がつぶれる思いだ。こんな痛ましい出来事を二度と繰り返してはならない」と述べた。

 事件を受けて、児童虐待防止対策に向けた関係閣僚会議が15日開かれた。首相は「1カ月程度をメドに対策を打ち出す。児童相談所の体制、専門性の強化を加速するため厚生労働省で見直しをしていく」「あらゆる手段を尽くし、やれることはすべてやるという強い決意だ」と強調した。

 親から虐待を受けて亡くなったとされる船戸結愛(ゆあ)ちゃんは生前、「もうおねがい ゆるして」などとノートにつづっていた。

「最後は私が正恩氏と」 首相答弁は北朝鮮へのメッセージ(寸評)

(東岡徹記者)安倍晋三首相は参院決算委員会で河野義博氏(公明)に拉致問題について問われ、こう答えました。

 「日朝においても新たなスタートを切り、拉致問題について、相互不信という殻を破って一歩踏み出したい、そして解決したいと決意している」

 さらにこう続けました。

 「最後は私自身が金正恩委員長と向き合い、日朝首脳会談を行わなければなりませんが、行う以上は、北朝鮮の核、ミサイルそして何よりも重要な拉致問題の解決に資する会談としなければならないと考えております」

 河野氏に対する答弁ではありますが、北朝鮮へのメッセージとも言えます。

 通常、外交官は赴任先の国の国会などを詳細にウォッチしています。日本の国会でのやりとりも日本に駐在する外交官がチェックし、本国に報告します。

 北朝鮮は日本と国交はなく、外交官が駐在しているわけではありませんが、ネットなどを通じて細かくウォッチしています。

 実際、私はソウル特派員などとして北朝鮮の宋日昊(ソンイルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使を何度か取材しましたが、日本の政治情勢について詳しく把握していて驚きました。安倍政権はこれからどうしたいのか。北朝鮮側もウォッチしています。

外交は政府の土俵…閣僚が誇る「成果」を検証する材料はない(寸評)

(斉藤太郎記者)「拉致問題についてトランプ米大統領が私の考え方を直接、金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長に伝えてくれたことは大きな成果だった」――。北朝鮮情勢が大きく動くなか、安倍晋三首相は参院決算委員会の答弁で、自らの交渉の「成果」を繰り返しています。

 国会論戦で外交分野は政府に有利な土俵といえます。実際の外交交渉にあたる政府が各国から機微な情報を集めて囲い込む一方、議員たちはそうした機密にアクセスすることが困難。議員が「米朝首脳会談の真相を教えてほしい」と外務省や米政府に直談判したところで、まともな答えはまず返ってこないでしょう。

 「外交上のやり取りを公表することは控える」。これが外交分野の政府答弁の決まり文句です。一方で、閣僚たちが「成果」を一方的に誇っても、議員たちには検証したり反証したりする材料はなかなかないのです。

 外相経験のある議員は「外相時代に自分で情報ネットワークをつくったから、ある程度の情報は入ってくる」と言います。ただ、「表に出したら、次から情報が入ってこなくなる」ため、国会論戦に持ち出すことはできないのだそうです。

共産が森友新文書? 首相は「架空」と繰り返す(15:40)

【森友学園問題】共産党の辰巳孝太郎氏が「私たちは応接録の公表についてのメモを入手した」と述べ、財務省や国土交通省の中のやり取りとされる文書をもとに追及した。このメモには、5月の交渉記録の公表をめぐり「公表するかは中身による。国交省として得策か検討してほしい」「最高裁まで争う覚悟で非公表とする」などの記述があるという。

 安倍晋三首相は「(質問内容の)事前通告をいただいていない。今の段階では架空なので、答えようがない」と答弁。「架空」という言葉を繰り返した。麻生太郎財務相、石井啓一国交相も「事前通告がない」ことを理由に答弁しなかった。これに対し、辰巳氏は「“安倍案件”だから文書の公表を拒んだのではないか」と詰め寄った。

 共産党は委員会後、この文書の内容について記者発表する予定だ。

「チャンスがあればつかみたい」首相、日朝会談に意欲(15:20)

【日本人拉致問題】安倍晋三首相は北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との首脳会談について「私は拉致問題を解決するためにはどのようなチャンスも見逃すつもりはない。チャンスがあればつかみたい」と直接対話の実現に強い意欲を示した。風間直樹氏(立憲民主)への答弁。

 首相は米トランプ政権の対日政策について「日米同盟へのコミットメント、在日米軍の体制は変わらないと明確にしている」と強調。拉致問題の解決に向けて「トランプ大統領の強力な支援をいただきながら、私どもが北朝鮮と直接向き合う」と述べた。

拉致問題のてこにしたい経済協力とは、どのようなものか(寸評)

(東岡徹記者)安倍晋三首相は、拉致問題が解決しなければ、北朝鮮に対して経済協力をしない考えを表明しました。風間直樹氏(立憲民主)に対する答弁。首相は16日のテレビ番組で、北朝鮮への経済協力は「核・ミサイル、拉致問題を包括的に解決し、国交を正常化した後」に行うと述べています。

 経済協力とはどういうものでしょうか。日朝平壌宣言では日本側が北朝鮮側に対して、国交正常化の後、「無償資金協力、低金利の長期借款供与及び国際機関を通じた人道主義的支援等の経済協力を実施」などと書かれています。

 参考になるのが韓国との国交正常化です。1965年の日韓国交正常化の際に、日本側は計5億ドルの経済協力を実施しています。

 北朝鮮側にとってみれば、こうした巨額の経済協力は魅力的でしょう。日本側は経済協力をてこに拉致問題を動かしたいようです。

 ただ、日韓の国交正常化交渉は51年に始まり、中断と再開を繰り返し、まとまったのは65年でした。日朝の国交正常化も平壌宣言で原則を確認しているとはいえ、交渉がそう簡単に進むとは限りません。

 また、核・ミサイル問題が解決すれば、国連安全保障理事会による北朝鮮に対する経済制裁も緩和されたり解除されたりする可能性が出てきます。そうなれば、中国や韓国、ロシアなどが経済協力に乗り出すことになるでしょう。日本だけが北朝鮮に経済協力できる、というわけではないのです。

文書改ざん、麻生氏「どうすれば防げたか分からない」(14:30)

【財務省文書改ざん】「どうすれば防ぐことができたかについては十分、分からない面がある」。文書改ざんの「再発防止に取り組む」として財務大臣を続投する麻生太郎氏だが、原因をいまだ解明できていないことを認めるような答弁があった。

 麻生氏が4日に財務省の調査結果を発表した際、改ざんの動機について「分かりゃ苦労しない」と述べた理由を、石上俊雄氏(国民民主)がたずねた。麻生氏は「改ざんに反対する職員がいたにもかかわらず、組織として問題行為を防ぎ切れなかった」と説明した。

 石上氏は「再発防止は無理だ」と麻生氏を更迭するよう迫ったが、安倍晋三首相は「二度とこうしたことが起こらないよう、先頭に立って対策を講じることで責任を果たしてもらいたい」と従来の答弁を繰り返した。

2週間ぶりの首相答弁 森友問題や財政規律で明確な説明を(寸評)

(斉藤太郎記者)安倍晋三首相が国会で答弁に立つのは今月1日以来、約2週間ぶりとなります。この間、さまざまな分野で重要なターニングポイントがありました。

 米朝の首脳が12日に史上初めて会談し、首相は日朝首脳会談の早期実現を関係当局に指示しました。国内に目を向けると、森友学園問題で財務省が4日に文書改ざんの調査結果を公表。政策面では15日、政府が基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標の時期を5年間、先送りする方針を閣議決定しました。

 機密に関わる外交交渉をめぐっては、首相もなかなか定かなことは言えないかもしれません。一方で、森友・加計問題や財政規律の問題については、首相には明確な説明が求められます。朝日新聞の16、17日の世論調査で、森友問題について「決着はついていない」との回答は79%。森友・加計問題を国会が引き続き「解明に取り組むべきだ」との回答も57%に上っています。

 この日は朝、大阪府北部を震源とする地震が起きました。委員会前に立憲民主党側は自民党側に「復旧に影響が出るのではないか」として委員会開催の延期を打診しましたが、自民が「予定通り開催する」と答えたといいます。委員会を開いた以上、首相らは真摯(しんし)な姿勢で答弁に立ってもらいたいと思います。

拉致問題を首相「最後は私が日朝会談を行わなければ」(13:40)

【北朝鮮情勢】安倍晋三首相は北朝鮮による日本人拉致問題について「最後は私自身が日朝首脳会談を行わなければならない。拉致問題の解決に資する会談にしなければならない」と述べた。滝波宏文氏(自民)への答弁。

 首相は「誰を拉致したのかを知っているのは北朝鮮だ。一日も早く帰国させてほしい」と強調。北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長がトランプ米大統領との首脳会談に踏み切ったことを「決断」と評価した上で、拉致問題解決に向けても金委員長が決断することに期待感を示した。

北朝鮮との今後を首相「信頼醸成し、結果を出したい」(13:30)

【北朝鮮情勢】安倍晋三首相は日本と北朝鮮との今後の関係について、「信頼を醸成し、拉致問題を解決した先の未来像を描く。ビジョンを持ちながら、現実・経験に裏打ちされた外交を展開し、結果を出したい」と述べた。滝波宏文氏(自民)の質問に答えた。

 首相は史上初の米朝首脳会談について「歴史的な会談だった。トランプ米大統領のリーダーシップに敬意を評する」と述べた。共同声明に両首脳が署名したことに「意義は大きい」と評価した上で、「お互いの相互不信の殻を破る突破口になる」と語った。

大阪地震で首相「政府一丸で情報収集、救助している」(13:05)

【大阪北部地震】安倍晋三首相は18日朝に発生した大阪府北部の地震について、「早急に被害状況を把握し、被災者の救命・救助等の災害応急対策に全力で取り組むよう指示し、政府一丸となって情報収集、救出、救助活動に当たっている」と述べた。二之湯智委員長(自民党)の質問に答えた。

 首相は「停電は解消したとの報告を受けている」としたうえで、「引き続き、公共交通、ガス、水道の復旧など被災自治体と緊密に連携しながら、災害応急対策に全力で取り組んでまいります」と語った。

 参院決算委ではこのほか、米朝首脳会談や北朝鮮による日本人拉致問題、森友・加計(かけ)学園問題などが取り上げられる見通しだ。

大阪北部地震の対応も議論 参院決算委スタート(13:05)

 安倍晋三首相らが出席する参院決算委員会が18日午後1時5分に始まった。同日朝に大阪府北部で起きた地震への対応や北朝鮮情勢、森友学園問題をめぐる財務省の文書改ざんと首相の言動の関連性のほか、政府による基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標の先送りなどが焦点になりそうだ。

 首相と野党議員たちの論戦は午後2時以降に始まる。森友問題を厳しく追及してきた共産党の辰巳孝太郎氏は3時過ぎに質問に立つ予定になっている。

 質疑は4時45分過ぎに終わり、2016年度決算を採決。森友問題で会計検査院が財務省の文書改ざんを見抜けなかったことを受け、会計検査院の検査体制の強化に関する決議案なども採決する予定だ。

写真・図版

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