[PR]

 困難な状況にある未成年の実態を調査研究する琉球大の上間陽子教授(45)が16日、さいたま市で講演した。昨年出した著書「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち」(太田出版)をもとに、中学生が風俗店で働く実態や、過酷な環境で生きる少女らの話を紹介すると、約180人の参加者には涙ぐむ人もいた。

 上間さんも沖縄で育った。中学校は荒れ、先生に口答えすると殴られた。家出をした友達は、ナンパしてきた男とその日に関係を持った。少女の周りに暴力や性がはびこっていた。

 高校進学を機に逃げるように地元を離れ、大学、大学院で未成年の少女の調査と支援に取り組んだ。大学教員の職を得て沖縄に戻ったのは15年ほど前だ。「私が逃げたころと何も変わっていませんでした」

 講演では、貧困や暴力にさらされた子の居場所になりうるのは「学校」だと強調した。厳しい環境にいる少女たちは学校から排除されていると指摘し「置かれた状況を言い出せない子がどうすれば語れるかを考えなくてはいけない」と話した。「子どもに向き合わずに、生まれてきてよかったみたいな授業をしても意味がありません」

 著書には2012年から4年間の調査で出会った、沖縄の夜の街で働く10~20代の少女ら6人が登場する。彼女たちは若くしてシングルマザーになり家族や恋人からの暴力に苦しみながらも、必死にもがいて居場所を見つけていく。

 中絶につきそい、キャバクラ出勤前に食事をしながらインタビューをした。きちんと整理された少女の家の冷蔵庫を見て安堵(あんど)したこともある。困難を一人で背負う少女たちに慈しみのまなざしを注ぎ、親身に話を聞く。「彼女たちは厳しい状況の中で最善の選択肢をちゃんと選んでいる。賢いと思いました」

 女の子がどうすれば幸せになれるのか、寄り添いながら調査を続けている。(長谷川陽子)