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 「生きづらい」「苦しい」――。そんな心の叫びを自由にはき出せるライブイベント「ポエトリーリーディング&オープンマイクin金沢」が17日、金沢市石引2丁目の石引パブリックで開かれた。東京と新潟を拠点とする朗読詩人の成宮アイコさんらが出演。一般の参加者も「オープンマイク」で生きづらさを表現した。

 家庭内の不和に悩み、社会不安障害やリストカットを経験したことがあるという成宮さん。「この世界で生きることをあきらめないでいてほしい」「あなたは幸せだと感じてもいいんだよ」……シンガー・ソングライターの青山祐己さんのピアノの音色に交わるように、赤い紙に書き連ねたストレートな言葉を感情を込めて読み、その紙を捨てていく。「近所の人が寝静まった後の車内」「体育館の扉の前」などツイッターで募った生きづらさを感じたときに避難する自分だけの「シェルター」を取り入れて作った「あなたのドキュメンタリー」など、八つの詩を披露した。

 イベントでは、2人のパフォーマンスに先立ち、9人の参加者が自身を表現した。休職中という20代の男性は自作の詩を朗読し、「こんな自分でも誰かを幸せにしたい」。精神疾患を抱えていると話す30代の女性は「お風呂に入って、頭を洗うことが大変。物を捨てることも難しい。生きるのが苦しい」。父を亡くした喪失感の中にいるという30代の男性は身ぶり手ぶりを付けて詩を読み、「みんなが表現できる舞台をつくりたい」と語った。

 あえて自らの生きづらさを公表し、同じ空間にいる誰かと共有するためのイベント。成宮さんは「私にしか言えないことがあるように、あなたにしか言えないことがある。緊張で手や声が震えても、本人が発信することが大切です」。主催した訪問看護師の中島江理子さん=金沢市=は「『言いたいことをはき出せる場所があって、本当によかった』といってくれる参加者もいた。今後も色んな人と協力しながら続けていきたい」と話した。(浅沼愛)