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 弱毒化した病原体などを使った従来のワクチンとは異なり、病原体のDNAを使うDNAワクチンの実用化が近づいている。感染症の予防に限らず、高血圧やアレルギー、がんの治療を目的にしたものまで対象は多岐にわたる。

病原体増える恐れなし、早く・安く作れる魅力も

 妊婦が感染すると赤ちゃんが小頭症になる恐れのあるジカウイルス感染症。中南米を中心に世界各地で感染が拡大し、2016年には世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言した。それからほぼ半年で米国などの二つの研究チームがDNAワクチンを開発。ヒトでの臨床試験(治験)が始まっている。米国立アレルギー感染症研究所などのチームは昨年3月から、ブラジルやメキシコなど7つの国・地域で2500人を対象にした臨床試験を展開している。

 はしか(麻疹)や水ぼうそうなどに一度かかると再び感染しないのは、免疫の働きによるものだ。免疫細胞は、体内に病原体が入ってくると攻撃して排除しようとする。その際、その病原体を特異的に攻撃する「抗体」が作られる。さらに、別の免疫細胞「樹状(抗原提示)細胞」も刺激され、病原体を攻撃する「キラーT細胞」なども活性化される。最初の感染時には一連の免疫反応に約1週間かかるが、再び同じ病原体が入ってきた時には免疫系の準備ができており、速やかに攻撃する。

 特定の病原体に対する攻撃準備を感染前に免疫系にさせる働きをするのがワクチンだ。通常、「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類がある。

 生ワクチンは弱毒化した病原体を使う。抗体に加えてキラーT細胞も誘導されるので、強い免疫反応が期待できる。ただし、まれにうった人の体内で病原体が増えることがある。

 一方、不活化ワクチンは増殖力を無くした病原体を使う。体内で病原体は増えないが、キラーT細胞が誘導されないことが多く免疫反応は比較的弱い。

 DNAワクチンは、病原体のう…

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