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 大阪府茨木市小川町のマンションでは、6階に住む後藤孟史(もとちか)さん(85)が就寝中に倒れてきた本棚の下敷きになり亡くなった。

 「助けてください!」。後藤さんと同じ6階に住む自営業の和田秀之さん(65)は、地震発生直後に女性の声を聞いた。助けに後藤さんの部屋に入ると、幅約1メートル、高さ約1・8メートルの木製の本棚が倒れ、本が散乱していた。別の若い男性と2人で本棚を起こしたが、下にいた後藤さんの意識はすでになかったという。茨木署によると、後藤さんは妻と2人暮らし。妻は別の部屋で就寝中で無事だった。

 近所の人たちは、後藤さんが道を歩きながら本を読む姿を覚えている。同じ6階に住む女性(83)は「読書家だったから、本棚に囲まれて暮らしていたのだと思う」。和田さんは「本好きで、『やさしいおじいちゃん』という印象の人だった。ショックです」とうつむいた。

 後藤さんと40年来の付き合いがあるという2階に住む女性(82)は、妻と仲良く買い物に行く姿もよく見かけたという。6階に住む田中秀雄さん(47)は、あいさつすると、いつも笑顔で返してくれたことを思い出すという。「おとなしくて優しい人だった。信じられない」と肩を落とした。