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 大阪北部地震で18日、大阪市東淀川区では安井実さん(80)が崩れた塀の下敷きになって亡くなった。安井さんの妻早苗さん(78)と長男克之さん(54)が同日、自宅前で取材に応じた。早苗さんは塀の下敷きになっている実さんを見つけ、呼びかけたが反応がなかったという。「もう、何が何やらわからんかった」と声を詰まらせた。

 克之さんによると、実さんはひざが悪く、障害者手帳を持っていた。目もよくなかったという。それでも毎朝、近くの阪急京都線上新庄駅の前で、子どもたちを見守っていた。

 「子どもが好きで、子どもに声をかけてもらうことで元気をもらっていたんだと思う」と克之さん。早苗さんも「『おっちゃん、こんにちは!』と子どもたちに慕われ、子どものことをよく知っていた。(子どもたちから)学校の話を聞くのが楽しみだったみたい」と話した。

 地震の前日は父の日で、実さん夫婦、克之さん家族で和食を食べに行った。実さんは好きな刺し身に満足し、帰宅後も「おいしかった」とうれしそうだったという。

 克之さんは、近所の人らが救助にあたってくれたことについて触れ、「ありがたい。おやじの人柄もあったのだと思う。見守り活動に行く途中、自分の役目でこういうことに巻き込まれてしまった。残念です」と肩を落とした。

 安井さんが児童の見守り活動をしていた新庄小学校の山本勝巳校長(54)によると、安井さんは足が悪いため、よく壁際を歩いていたという。山本さんは「明日、子どもたちがわかるように安井さんが亡くなったことを説明しようと思う。毎日いるのが当たり前の方。見守りに行こうとして亡くなったというのは、いたたまれない」と話した。