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 高校球児の象徴ともいえる「丸刈り」。しかし、どうして皆丸刈りにするのだろう。

 男子部員14人の阿南の小椋柳太監督が丸刈りをやめようと提案したのは、昨年4月。毎年部員不足が深刻となる中、「野球が好きな子が、丸刈りが嫌だからという理由で野球部に入らないのはもったいない」と考え、宣言した。

 ただ、大会直前になると、気合を入れるためか、自主的に頭を丸刈りにした部員が相次いだ。「元から野球をやっている子にとっては、丸刈りはあまり抵抗がないのかもしれません」と小椋監督はいう。

 木曽青峰の柳瀬元(はじめ)監督は、丸刈りについてどう思うか、部員に提案した。すると、「高校野球は丸刈りじゃなきゃ、格好悪いです」と部員の方が丸刈りをやめることに反対したという。柳瀬監督は「個人的には丸刈りじゃなくても良いと思うが、確かに髪は短い方が帽子の中で蒸れないし、楽」と語る。やはり球児に丸刈りはなじむのかもしれない。

 別の理由から、一時的に「丸刈り禁止」とする学校もある。中信のある高校では、公式戦のない冬季の間は、頭髪を伸ばすように勧めている。監督は「高校3年間の中で、髪形や身だしなみを気にする時間も必要。個人的にも、丸刈りでなければいけない理由を合理的に説明できない」という。ただ、春以降は生徒が自主的に髪を短く刈っているという。

 部員の頭髪について、部内でルールを設けているのか。朝日新聞長野総局は、長野大会に出場する85チームにアンケートを実施した。すると、部員不足に悩む幾つかの学校では、「丸刈りを理由に入部を拒む生徒が多い」という理由から、頭髪を自由にしていることがわかった。

 一方、大半の回答はやはり、「丸刈りにしている」「ルールは定めていないが部員の大半は丸刈り」だった。6月23日に行われた長野大会組み合わせ抽選会の会場でも、髪を伸ばしたチームの主将は数えるほどしかいなかった。

 日本高野連と朝日新聞社が5年に1度実施し、6月に発表された高校野球実態調査でも、長野県高野連加盟で回答した86校のうち、部員の頭髪の扱いについて、「丸刈り」と答えた学校は56校。全体の65・1%を占めた。ただ2013年の前回調査から約10ポイント低かった。反対に、「スポーツ刈りも可」「特に取り決めず、長髪も可」とした回答の合計は33・7%(29校)で、前回より8・7ポイント増加した。

 全国3939校の回答では、「丸刈り」とした学校は76・8%で、前回調査より2・6ポイント低かった。

 見直す動きがある一方、支持も根強い「丸刈り」。

 上田西の原公彦監督は「野球をやることに丸刈りかどうかは関係ない。ただ、丸刈りにすることは、自分が高校野球をしている間は『他のものには惑わされません』という意思表示だと考えています」と話した。(大野択生)

丸刈りをルールにしている学校の主な理由

・清潔に、お金をかけない

・野球により集中するため

・伝統で継続している

・(丸刈りも)高校野球のユニホームの一つと考えるから

丸刈りをルールにしていない学校の主な理由

・丸刈りで入部を敬遠する子が多い

・高校時代に身だしなみに気をつかうことも大切だから

・プレーに支障がなければこだわらない

・時代の流れを感じたから

(いずれも朝日新聞長野総局が長野大会出場85チームに実施したアンケートの回答から抜粋)