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 大阪北部を震源とした地震で、車中泊や避難所での寝泊まりによって、エコノミークラス症候群(肺塞栓〈そくせん〉症など)が発生するおそれがあり、日本循環器学会と日本静脈学会が予防策を呼びかけている。自宅でも、エレベーターの故障や外出への恐怖心などから閉じこもりがちになるとリスクが高まるとの指摘もあり、注意が必要だ。

 エコノミークラス症候群は、ふくらはぎなどの血管内にできた血のかたまりが肺の血管につまって起きる。胸の痛みや息苦しさを感じ、死亡することもある。足を動かさないことや脱水、足のけががあると発症しやすくなる。

 両学会は予防策として、足首を曲げ伸ばししたり散歩をしたりして、足の血行をよくすることを推奨。水分も意識して取るように勧めている。予防効果があるとされる「弾性ストッキング」を使う方法もある。

 2016年4月の熊本地震では発生直後から患者が相次ぎ、50人以上が重症化。女性1人が死亡した。掃本(ほきもと)誠治・九州看護福祉大教授は「避難生活で数日、体を動かしづらいだけで、元気な人が突然発症するのがエコノミークラス症候群の怖さ。気をつけてほしい」と話す。

 弘前大の福田幾夫教授(心臓血管外科)によると、外出せずに家のなかで動かずにいることでも、リスクは増すという。福田教授は「家の中で足踏みをするだけでも予防になる。足のむくみが取れなかったり、片足が赤紫色に腫れていたりする場合などは、循環器の専門医を受診したほうがよい」と話す。(後藤一也、竹野内崇宏)