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 今春、長時間労働や過労死をテーマにした小説の刊行が相次ぎました。書いたのは、恋愛小説を多く残してきた直木賞作家の村山由佳さん(54)と、気鋭の若手作家、朱野帰子さん(38)。折しも、国会では政府・与党が成立を急ぐ「働き方改革関連法案」の審議が続いています。命を削ってまで働かなければならないのか、これからの働き方はどうあるべきか――。小説が問いかけてきます。

社会で一番弱い人でも、死なないで済む社会に

 直木賞作家の村山由佳さんは、過労自死をテーマにした「風は西から」(幻冬舎)を3月に刊行した。

 社会人5年目で食品会社勤務の主人公・千秋は、恋人・健介と順調に交際していた。父が経営する広島の小料理屋を継ぐために大手居酒屋チェーンで修業する健介だが、店長となったとたん長時間労働で疲弊し、経営幹部の厳しい叱責(しっせき)を経て、「疲れた」「ごめん」と残して命を絶つ。千秋は彼の両親とともに、故人の名誉のため、責任を否定する会社に立ち向かう。

 ――過労死がテーマですが、着想はどこから?

 新聞連載の題材を探していた時、ブラック企業が問題になり始めていました。まだ、過労自殺、過労自死も、今ほどニュースになっていなかった頃です。連載が始まったのが、2015年秋。居酒屋チェーンの元トップが責任を認め、過労自殺した社員の遺族に謝罪したことがニュースになった前後でした。

 ブラック企業の体質などをまとめた関連本も読みましたが、部下を押しつぶす言葉をトップが当たり前のように口にしているのがショックでした。私自身、物書きで言葉を扱う人間なのでどうしても言葉にセンシティブになります。実際に被害を受けた人、遺族がたくさんいる。過労死問題に関心のなかった人にも、手を伸ばしてもらえるような小説にできないか、と考えました。

 ――直木賞作家である村山さんは恋愛小説を多く書いてきました。意外です。

 この小説は、女性の仕事小説の…

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