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 刑事裁判に出廷した証人に、本人の罪の立証には使わないと約束して証言を強いる刑事免責制度が、東京地裁(家令和典裁判長)で19日にあった覚醒剤密輸事件の裁判員裁判の証人尋問に適用された。司法取引とともに今月1日から導入された制度で、適用は初めてとみられる。

 証人尋問があったのは、覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)などの罪に問われた中国籍、林伯珠被告(22)の公判。この日、共犯者とされる中国籍の陳豪超被告(24)=同法違反罪で起訴=が証人として出廷し、制度が適用された。

 家令裁判長は陳被告の尋問に先立ち、「検察官から免責請求があり、認められました。この法廷では、訴追を受け、有罪判決を受ける恐れがあっても、証言を拒むことはできません」と説明した。

 起訴状によると、林被告は陳被告らと共謀し、昨年4月、中国から国際郵便で覚醒剤280グラムを密輸したとされる。18日の初公判では「覚醒剤が入っているとは知らなかった」と起訴内容を否認していた。

 これまで、刑事裁判に出廷した証人は、自身の罪に関わる内容の証言は拒否できたが、刑事免責が適用されれば、証言を拒んだ場合、刑事罰が科されることがある。(杉浦幹治、三浦淳)