ゆっくり流れる沖縄的時間、とても長い「戦後」 岸政彦

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 先日、ある若い新婚の友人が、新居の場所を選定しているときに、すこし笑いながら「おもろまちは『出る』からねー」と言っていた。

 おもろまちと呼ばれる新しい再開発地区は、那覇の市街地のすぐ北側にあって、大きなショッピングセンターやシネコンやホテルやマンションが立ち並んでいる、もっとも「沖縄らしくない」ところだ。しかしここの一部はかつて、「シュガーローフ」と呼ばれる、沖縄戦当時の激戦地だった。

 もちろん本気で「霊」が出ると言っているのではなく、それは日常的な、たわいもない、軽い世間話、あるいは単なる冗談なのだが、しかしそれにしても、30代の若い女性が軽く笑いながら話すその言葉のなかに、沖縄のなかで世代を超えて受け継がれるある種の「感覚」のようなものが垣間見えて、こういうことは本土ではあまりないことだな、と改めて思った。

 沖縄的時間はゆっくり流れる…

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