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 戦国武将・上杉謙信や上杉景勝の愛刀とされる備前刀の国宝「太刀 無銘一文字」(愛称・山鳥毛(さんちょうもう))について、岡山県瀬戸内市が設置した専門家の組織は19日までに評価額を「5億円以上の価値を有する」と結論づけた。所有者が示した売買価格は「5億円」だった。

 刀の購入を検討する市が19日、市議会の総務文教常任委員会に対し、専門家組織「山鳥毛購入における瀬戸内市外部評価委員会」(委員長=臼井洋輔・県文化振興審議会長)の「意見書」を示した。委員会が東南信行・市教育長に15日付で出した「意見書」で、それによると、委員会は6月に2回、開かれた。

 その結果、委員会は、山鳥毛が瀬戸内市長船町を拠点にした「福岡一文字派」の技による名刀で、市が購入することで「教育文化的価値や観光といった産業活動への影響など、波及効果も含めて総合的に評価した結果、5億円以上の価値を有する」と結論づけた。「こうした国宝が市場で入手できる機会は極めてまれ」とも記した。

 山鳥毛は備前地方で鎌倉時代に作られたとみられ、1952年、国宝に指定された。備前刀の最高傑作の一つとされ、岡山市の県立博物館が所有者から寄託を受けている。謙信のふるさと新潟県上越市が購入を一時検討し、専門家による評価額3億2千万円を予算計上するなどしたが、所有者と折り合いがつかず、昨秋に購入を断念した。その後、所有者が5億円の価格を瀬戸内市に示した。瀬戸内市の武久顕也市長は5月末、専門家組織の評価額を踏まえ交渉に臨む考えを示した。(雨宮徹)