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 近代のフランス風景画を集め、上野公園の東京都美術館で開かれている「プーシキン美術館展」(朝日新聞社など主催)の入場者が20万人を超え、20日に記念のセレモニーがあった。

 モネやゴーギャンの作品など、ロシアのプーシキン美術館が所蔵している65点を展示している。なかには、宝くじに当たって生活を安定させた風景画家もおり、解説を読んだ来場者のため息を誘っている。

 セレモニーでは、東京都八王子市の田村夏未紀(なみき)さん(22)らに図録などが贈られた。愛知県清須市から遊びに来た友人藤田葵さん(23)と訪れた田村さんは、「モネの『草上の昼食』をもとにしたポスターを見て、前から来たいと思っていた。画家の色使いを、その重ね方も含めて学びたい」と話した。

 幸運な画家とは、印象派のアルマン・ギヨマン(1841~1927)。叔父の下着店や鉄道会社で働きながら絵を学んだ。絵で生計を立てることはできず、日中は戸外で制作し、夜勤をする生活を続けた。1891年に宝くじに当選してようやく制作活動に専念することができた。この日の会場でも、こうした解説を読んだ来場者が「よかったわねえ」と声を上げていた。

 出展されている「廃墟(はいきょ)のある風景」は当選から6年後の作品。パリを離れフランス中部に移り住んでいた。川と渓谷が織りなす夕景を描いている。宝くじに当たらなければパリから出ることも、夕方に絵を描くこともかなわなかったかもしれない。

 大金を得ても道を踏み外すことなく念願の絵画制作に専念したギヨマンのことを「高額当選者のかがみ」とブログで評する来場者も。サマージャンボ宝くじの発売が近いが、現代日本で第二のギヨマンは出現しないだろうか。

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 展覧会は7月8日まで。一般1600円、大学・専門学校生1300円、高校生800円、65歳以上1千円。公式サイトはhttp://pushkin2018.jp/別ウインドウで開きます