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 米国株式市場を代表する株価指数「ダウ工業株平均」を構成する30銘柄から、米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)が外れることになった。ダウ平均がつくられた1896年に構成銘柄となり、今も採用される唯一の銘柄だった。業績不振で株価の低迷が続いていた。

 ダウ平均を算出する米S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが19日、構成銘柄を26日付で入れ替えると発表した。GEの代わりに、ドラッグストア大手のウォルグリーン・ブーツ・アライアンスを加える。

 GEは発明王トーマス・エジソンを源流とする老舗電機メーカーで、米国を代表する優良企業だった。一時は金融やメディアにもビジネスを広げ、複合企業(コングロマリット)の成功例とされた。世界最大の時価総額を誇る時期もあった。

 2008年のリーマン・ショック後は家電や金融から相次ぎ撤退し、「選択と集中」を加速させてきた。だが、再生可能エネルギーの普及で主力の発電機部門が苦戦し、縮小したはずの保険部門で巨額損失を計上するなど業績が低迷。最近は株価の下落に歯止めがかからなくなっていた。米株式相場が最高値圏で動くなか、GE株はこの1年間で55%も急落。ダウ平均に与える影響が極めて小さくなっていた。米ゴードン大のアレクサンダー・ラウリー教授(金融実務)は「GEはもはや、米国のトップ企業を必ずしも代表してはいない」と話す。

 ダウ平均の構成銘柄に選ばれることは優良企業の証しとされ、米産業界の栄枯盛衰を映し出してきた。00年以降、写真フィルムのイーストマン・コダック、自動車のゼネラル・モーターズ(GM)、パソコンのヒューレット・パッカード(HP)などが除外された。代わりにナイキやアップル、ゴールドマン・サックスといった銘柄が加わった。GEの除外は、米産業界における製造業の地盤沈下を改めて示す動きと言えそうだ。

 S&Pダウ・ジョーンズの責任者のデービッド・ブリッツァー氏は、米産業の重心は製造業から消費者部門やヘルスケア、金融、情報技術に移っていると指摘。今回の銘柄入れ替えで「ダウ平均は米経済や株式市場のよりよい指標となる」と述べた。GEは除外の発表を受け、「より強くシンプルなGEを作りあげるという私たちの焦点は少しも変化しない」とコメントした。(デトロイト=江渕崇)

 〈ダウ工業株平均〉 米国の主な業種を代表する30社で構成する株価指数。ハイテク銘柄が多い「ナスダック総合指数」、大企業を幅広く網羅する「S&P500」と並び、米国の代表的な株価指標となっている。「工業株」という名がついているが、構成銘柄は製造業に限らず、時代に合わせて随時見直されてきた。