カルビー前会長、経営業は「やめられない、止まらない」
上地兼太郎
カルビーの会長兼CEO(最高経営責任者)として8期続けて増収増益を成し遂げ、今月20日に退任した松本晃氏(70)が、ネット通販サイト運営のベンチャー「インアゴーラ」(東京)の社外取締役に7月1日から就く。松本氏はトレーニングジム大手「RIZAP(ライザップ)」の最高執行責任者(COO)にも就いたばかりだ。25日会見した松本氏は「年寄りばかりでは日本経済は良くならず、若い経営者のサポート役をやりたい」とし、「変化のスピードが速い21世紀。楽しい仕事は『やめられない、止まらない』」と意気込んだ。
松本氏はカルビー時代にシリアル「フルグラ」を大ヒットさせた。ところが3年ほど前、店頭での欠品のクレームが消費者から相次いだ。調べたところ、何者かがフルグラを買い占め、中国市場に流しているとの情報をつかんだ。
「その瞬間、中国市場の可能性に取りつかれた」。国内市場は人口減で縮むが、人口14億人の中国での商機は計り知れない。多忙の合間を縫って、2カ月に一度のペースで中国出張を重ねていた。
そんな中で昨年10月、インアゴーラで講演することになった。伊藤忠商事の後輩にあたる翁永飆(おうえいひょう)社長は「『人口減の日本より国外の70億人へ商売すべきだ』という講演内容に感銘した」という。
インアゴーラは、食品や化粧…