[PR]

 日米欧の主要中央銀行のトップが20日、ポルトガル・シントラで開かれた欧州中央銀行(ECB)の年次フォーラムに出席し、米中貿易摩擦への懸念の声を上げた。

 同フォーラムの討論会には、日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長、ECBのドラギ総裁らが出席した。

 黒田総裁は、米中が互いに高関税を課せばアジアでの部品供給網に影響が出るとし、「日本経済への間接的な影響はかなり大きくなるだろう」と発言。「日本にとって重大な懸案事項」と述べた。

 パウエル議長は「通商政策の変更によって(経済の)見通しに疑問を投げかけなくてはならなくなる可能性はある」と述べ、金融政策の前提となる経済見通しの下方修正を迫られる可能性に言及した。米国内外の企業への調査では投資や雇用の判断を遅らせる影響が出ているとして、「これは新しい出来事だ」と警戒感を示した。

 ドラギ総裁は消費者心理の悪化などの可能性に触れ、「過去の経験からして(貿易戦争は)すべてが非常にネガティブだ」とした。金融政策への影響を見極める時期ではないとしつつ、「楽観できる理由は何もない」と述べた。(ウィーン=寺西和男)