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 全国の図書館で、本がなくなったり、傷つけられたりするケースが後を絶たない。九州大学の付属図書館では蔵書がなくなり、一部はバラバラになった状態で捨てられていた。何があったのか?

 福岡市西区にある九大の学生寮で3月下旬、清掃担当者がごみ袋に入った書籍計78冊を見つけた。大半が「演習物理」「量子力学」といった理系の本。いずれも行方不明になっていた付属図書館の蔵書で、うち36冊は裁断機のようなものですべてのページが切り取られ、背表紙だけになっていた。被害総額は約10万円。宮本一夫・付属図書館長は「本は悲惨なダメージを受けている。倫理観のなさを危惧する」と嘆く。

 原因は学生らに「自炊」と呼ばれている行為だ。書籍を一ページずつ分解してスキャナーで取り込み、電子データ化する。検索しやすく、かさばらないため利用者が増えているが、著作権法上、私的な利用に限られる。図書館の蔵書を勝手に裁断するのは論外だ。

 九大からの被害届を受け、福岡県警が捜査。大量に見つかったものとは別の本2冊を盗んだ疑いで4月下旬、大学院生を逮捕した。大学院生は5月中旬、処分保留で釈放され、朝日新聞の取材に「図書館の本だけでなく、自分で購入した他の本も電子化していた」と話した。ただ、捨てられていた書籍との関連は不明で、事件は未解決のままだ。

 電子犯罪に詳しい紀藤正樹弁護士は「自炊」について、「本そのものに価値を見いだしておらず、裁断にはちゅうちょしないのだろう」と話す。「図書館のいまのセキュリティーでは、本の持ち出しを完全に防ぐのは難しいのでは」

■不届き者とのいたち…

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