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 原爆の惨禍を耐えた「被爆樹木」の意義と保存を考えるシンポジウム「被爆樹木を守り、広める」が21日、広島市佐伯区の市植物公園であった。約80人が熱心に耳を傾けた。

 樹木医の堀口力さん(73)は「被爆樹木の生物学的特徴と保存について」と題して講演。生きた被爆遺産としての被爆樹木を保存する意義を強調し、原爆投下前と後の年輪の違いなど最近の調査結果を示した。「調査は進んでいるが、研究者が少ないという現状がある」とも指摘した。

 続いて、被爆樹木の種や苗木を世界中に送っている市民団体「グリーン・レガシー・ヒロシマ・イニシアティブ」と平和首長会議の活動が、それぞれ紹介された。

 同市東区の会社員、片山洋臣(よしふみ)さん(49)は「貴重な平和のシンボルとして、きちんと保存される必要があると感じた」と話した。

 市によると、1996年度以降、爆心地から半径約2キロ以内の被爆樹木に標識を付けて台帳に登録、昨年4月現在で31種161本が登録されている。(大滝哲彰)