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 千葉県松戸市のベトナム国籍の小学3年、レェ・ティ・ニャット・リンさん(当時9)が殺害された事件で、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われ、裁判員裁判で死刑を求刑された元保護者会長の渋谷恭正(やすまさ)被告(47)が21日、勾留中の千葉市内の拘置所で朝日新聞などの取材に応じ、改めて「無罪を主張します」と訴えた。

 被告は、上下黒のジャージー姿で面会室に現れた。事件について「やっていないことは、やっていない」「証拠は捏造(ねつぞう)されたもの」と改めて無罪を主張。死刑が求刑されたことについては、遺族が極刑を求める署名活動をしていたことなどに触れ、「予想通りだな、としか思わなかった」と話した。

 殺害されたリンさんへの思いを問われると、「悲しいとしか言いようがない。あの日は自分が見守りに行かなかったのが悪かったな」と表情を変えずに話した。

 検察側の主張によると、被告は2017年3月24日、登校中のリンさんを軽乗用車で連れ去り、車内でわいせつな行為をした上で首を圧迫し、窒息させて殺害。遺体を同県我孫子市の橋の下に捨てたとされる。遺体から被告のDNAが、被告の車の床マットなど8カ所からリンさんの血液が採取されたと指摘した。

 リンさんの両親は千葉地裁での裁判が18日に結審した後、「真実が見えなかったのは残念」「一番厳しい判決をお願いしたい」と訴えた。15日の証人尋問では、父親のレェ・アイン・ハオさん(35)が出廷し、リンさんについて「日本とベトナムが大好きで、懸け橋になる仕事をしたかった」「社会に役立つ人間をめざしていたのに、なんで殺されたのか」と話していた。(松本江里加)