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 人気商品や有名ブランド品を模倣した偽物の流通が止まらない。強力に取り締まる決め手はないが、メーカーや中古品取扱業者は対策を強化している。

 腹や腕に張り、電気刺激で筋肉を鍛える健康器具「シックスパッド」。健康美容機器メーカーMTG(名古屋市)が、サッカーW杯で活躍中のクリスティアノ・ロナルド選手と開発して2015年に売り出した。販売台数は100万台超。ヒット商品だけに、フリーマーケットのサイトには偽物が横行している。箱や説明書が本物そっくりだったり、腹筋用で2万8千円(税込み)ほどする正規品の10分の1の価格で売られたりする商品もある。MTGの長谷川徳男・取締役法務知的財産本部長は「偽物は正規品と電気の流れ方が違い、やけどの恐れもある」。MTGは美容ローラー「リファ」の偽物にも悩まされ、被害額は年1億円はくだらない。

 同社は税関と連携し、海外製の偽物が出回らないようにしている。日本の税関での同社製品の輸入差し止め点数は17年、前年の2・7倍の1万3千点だった。専属スタッフもフリマサイトを監視し、偽物を見つけたら削除を要請する。長谷川氏は「いたちごっこでもやるしかない。対策をやめれば偽物は10倍に増える」と話す。

 偽物を見抜くサービスも登場している。中古品販売のコメ兵が昨秋始めたブランド品特化のフリマアプリ「KANTE(カンテ)」は、ダウンロードが10万件を超えた。購入前に鑑定士が商品の真贋(しんがん)を判定。担当者は「個人間取引に不安を感じる人は多い。ノウハウを持つコメ兵が間に入ることは有効だ」と話す。

 人工知能(AI)で偽ブランドを見分ける米ベンチャー・エントルピーも今年1月、日本で法人向け事業を始めた。商品の拡大画像を専用カメラで撮ると、AIが真贋を判断する。15ブランドに対応し、精度は98・5%という。浅岡範子・日本代表は「安心して取引ができる世界を実現したい」と話す。(竹山栄太郎