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 「合法ライドシェア」と言えそうなサービスの実証実験が、鹿児島県の与論島で8月に実施される。運転は地元住民が乗用車で担い、利用者に求めるのは、ガソリン代とシステムなどの使用にかかるわずかな料金だけ。交通手段が乏しい離島や過疎地などで広がる可能性がある。

 地元のヨロン島観光協会と東京のベンチャー企業、アジットが21日発表した。

 観光客を中心とする利用者に、アジットのアプリ「クルー」から乗車地点と目的地を設定してもらい、事前に登録した島民が自家用車で運ぶ。料金はクレジットカードで支払ってもらう。米国や中国などで拡大するライドシェアと基本的な仕組みは同じだ。

 ただし料金は、ガソリンの実費のほかは、アプリ使用料20円と毎分20円のシステム代だけ。これを超えた任意の謝礼は拒まないが、強制はしない。8月の実験を踏まえ、それ以降の本格実施を検討する。

 道路運送法は許可なく旅客を有償で運ぶ「白タク」行為を原則として禁じており、ライドシェアの普及の壁となってきた。

 しかし、国交省はことし3月、白タクか否かを明確にするための通達を全国の運輸局に出した。これに触れない取り組みは事実上容認する方向だ。

 与論島を訪れた昨年の観光客は7万3千人。干潮時だけ現れる砂浜などが人気を集め、増加傾向が続く。島内の公共交通はバス1路線とタクシー8台だけしかなく、移動手段の確保が課題となっている。(木村聡史)