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 偽装結婚の疑いがあるとして在留資格を取り消され、強制退去を命じられた千葉県船橋市の中国籍の女性(65)が退去命令の取り消しを求めた訴訟の判決が21日、東京地裁であった。国は夫の日本人男性(70)と寝室が異なる点などを根拠に「結婚の実態がない」と主張したが、清水知恵子裁判長は「夫婦でも寝室を分けることはある」などと述べ、夫婦関係を認めて退去命令を取り消した。

 判決によると、女性は2007年に初来日。13年8月、警備会社に勤める男性と知人の紹介で知り合い、翌月に結婚。14年10月に配偶者として在留資格が認められた。だが、在留資格の更新が認められずに不法残留となり、16年5月には強制退去命令を受けた。

 国側は、2人が相手の母国語をほとんど理解できないことや、自宅の和室に枕が一つしかないことなどを理由に「偽装結婚」だと主張した。だが、判決は「漢字による筆談でコミュニケーションができている」などと退けた。

 判決後に都内で会見した原告の女性は「これからは、家族一緒に幸せな生活を送りたい」と話した。代理人の指宿昭一弁護士は「退去強制に関する訴訟で勝訴できるのは1~2%」と判決を評価した。

 法務省入国管理局は「判決内容を検討の上、適切に対応したい」とのコメントを出した。(北沢拓也)