[PR]

 東京都府中市の榊原記念病院で2006年に入院中の次男(当時2)が死亡したのは医療ミスが原因だったとして、両親が病院を運営する公益財団法人「日本心臓血圧研究振興会」に約6千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、東京地裁であった。手嶋あさみ裁判長は病院側のミスを認め、法人に約3250万円の支払いを命じた。

 判決によると、次男は先天性の心疾患があると診断され、同病院で治療を受けていた。06年9月に入院した際、麻酔薬の使用をきっかけに低酸素脳症となり、約3カ月半後に死亡した。判決は、麻酔薬の使用に問題はなかったとしつつ、病院は急変の可能性を念頭に対策を行うべきだったと指摘。麻酔薬の濃度を落とさずに使い続けたことも「注意義務を欠いた」とした。

 同病院では06年5月にも、別の女児が同じ症状に陥っていた。判決はこの点にも触れ、「教訓を十分に生かし切れなかった面は否定できない」と指摘した。

 判決後に都内で記者会見した父親の清川仁さん(46)は「4カ月前の事故で病院の運営が改善されていたら、息子は命を落とさなかった。判決が医療機関の改善につながれば、息子も報われる」と、涙をこらえながら話した。

 同病院は朝日新聞の取材に「情報収集中で、現時点でのコメントは控えたい」としている。(北沢拓也)