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 春闘相場に影響力のあるトヨタ自動車が今春闘のベースアップ額を公開しなかったことについて、労組側の上部団体、金属労協の高倉明議長は21日、「来年も続くとすると非常に大きな問題だ。二度とあってはいけない」と批判した。来春も公開しない方針のトヨタ経営側を強く牽制(けんせい)した。背景には「官製」が続く春闘のあり方への強い危機感がある。

 自動車総連など製造業の五つの産業別労組でつくる金属労協は、例年この時期に春闘の中間評価を公表しているが、併せて記者会見を開くのは異例だ。

 今春闘でトヨタ労組は、正社員のベアを月3千円求めた。定期昇給とあわせた要求のアップ率は2・9%だった。

 トヨタ経営側はこれに正面から答えず、非正規の手当も含めた「3・3%の賃上げ」を3月に回答。最も注目されたベア額は公開せず、トヨタ労組も「やむを得ない」と受け入れた。

 トヨタ労組の執行部は一般組合員にも知らせず、上部団体である自動車総連や金属労協、連合への報告もしていない、としている。

 こうした状況に、自動車総連会長でもある金属労協の高倉議長は「大手企業の賃上げ額が(日本中の企業の)成果配分の重要なものさしとなっていることを共通認識にする必要がある」と強調した。

 トヨタ経営陣は非公開の狙いを中小企業も多い系列メーカーなどとの「格差是正のため」としている。トヨタグループでは、まずトヨタ本体が労使交渉を決着させ、系列メーカーは、それを目安に交渉を詰める慣例が長年続いてきた。公開が系列でのベアの上積みを妨げている、との主張だ。

 しかし、高倉氏は、今春闘では金属労協加盟の中小のベアの増え幅が大手企業より大きいことを指摘し「(トヨタの説明は)あたらない」と反論した。

 連合は例年、春闘のベア要求を数値で示し、加盟労組はそれを目安に交渉してきた。ベア額が公表されなければ、要求がどこまで実現したのかがわからない。結果を翌年春闘の要求方針に反映させているが、トヨタのデータが統計から外れると、この方式も崩れる。

■経営側、政権無視…

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