過去にプロポーズ、納得の人生 でも満たされぬ独身の私
(悩みのるつぼ)相談者 40代女性
40代後半の独身女性です。東証一部上場企業に正社員として働いています。
今まで結婚願望、出産願望があった時期があり、ありがたいことにプロポーズして頂いたことも何度かありましたが、結婚は決断できませんでした。現在は、結婚願望、出産願望は全くありません。
仕事は心身ともにハードで辞めたいと思うことは多々ありますが、独りで生きていくためにはと腹をくくり、なんとか続けています。信頼できて、心を許せる女友達や食事に誘ってくれる男性がいて、生涯を通して楽しめる趣味を持ち、そこそこ資産もあります。
ある程度の年齢になったら老人ホームに入ろうと考えています。自分で全て選択してきた人生に納得していますし、将来の不安もあまりありません。
それなのに、なぜかいつも心が満たされず、ポッカリと穴が開いているような、もの悲しく、寂しい気持ちになります。自分でも理由が分かりません。
どうしたら心が満たされるのでしょうか。
また、私のような独身女性が充実して生きていくためのアドバイスをお願いいたします。上野千鶴子先生にご回答頂けたらありがたく存じます。
上野先生の著書『おひとりさまの老後』は読ませて頂いたので、その他のアドバイスを頂けたらありがたく存じます。
回答者 社会学者・上野千鶴子
あなたのご相談を少々立場を変えてつくりかえてみましょう。
「40代の専業主婦。夫は一部上場企業勤務で、順調に出世しています。子どもにも恵まれ、趣味や旅行を共にする女友達や、サークル仲間で男性の友人もいます。不本意なパート勤めに出ずにすみ、好きな稽古事にもうちこめる余裕のある暮らしを夫に感謝しています。老後を子どもたちに頼る気はないので、ふたりで有料老人ホームに入ろうねと夫とは話し合い、そのための蓄えもしています。自分で納得して選んだ人生、つつがなく過ぎたことを感謝していますし、将来の不安もあまりありません。それなのになぜか、いつも心が満たされておらず、ポッカリと穴が開いているような、もの悲しく、寂しい気持ちになります」
ここまでくれば明敏なあなた…