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 ドーピング検査履歴など選手の個人情報の管理を強化するため、世界反ドーピング機関(WADA)が新システムを開発している。手書きの書類を全て電子データにするペーパーレス化で、2020年東京五輪・パラリンピックでの使用も視野に入れる。

 これまでドーピング検査で必要な書類はすべて手書きで、「ADAMS(アダムス)」と呼ばれるコンピューターシステムへの入力が必要だった。しかし、紛失したり、書き間違えたりすることがあった。ぺーパーレス化でこうしたトラブルを防ぎ、作業効率も向上しそうだ。

 また、リオデジャネイロ五輪が開催された16年にはロシア系のハッカー集団が不正アクセスし、病気やけがの治療のために禁止薬物の使用が認められる治療使用特例(TUE)などの機密情報が持ち出された。WADAの基準・調整部門担当のスチュワート・ケンプ課長補佐は「(新システムでは)データが不正に持ち出されても誰がどこに送ったかが追跡できる。安全性は増す」と語る。

 開発は初期段階が終了。今後はタブレットなどを使ってデータを扱う現場の検査員たちの意見を集約していく。費用や検査員が使いこなせるかが課題になるが、東京大会組織委員会は導入を検討している。WADAでソフト開発担当を務めるフランソワ・ガイ主任は「今年中にテストできる状態に仕上げたい。そうすれば来年の丸1年を試験期間に使え、東京五輪での導入も可能になる」と言う。(遠田寛生)

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