【動画】7月下旬にも廃止されるマカオのドッグレース
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 庶民のギャンブルとして親しまれてきたマカオのドッグレースが7月下旬にも廃止される。世界最大級の規模に発展したカジノにおされて人気が低迷し、戦前にルーツを持つ長い歴史に幕を閉じる。だが、約650頭の犬の引き取り手が確定しておらず、動物保護団体から懸念の声があがっている。

 マカオのドッグレースは1931年に始まり、途中25年間中断された後、63年に再開。かつては立ち見が出るほどの人気ぶりだったが、取材に訪れると、約700席の観戦席の9割以上は空席。男性客(64)は「1日に数十パタカ(数百円)もあれば楽しめる貴重な娯楽だったのに」と廃止を嘆いた。

 レース場の土地はマカオ政府が保有し、運営を「マカオのカジノ王」と呼ばれるスタンレー・ホー氏が経営トップを務める民間企業「マカオ逸園ドッグレース」が担ってきた。跡地の再開発を予定しているマカオ政府は7月21日までの土地の明け渡しを決定。同社は廃止を決めたが、準備が間に合わないとして、3カ月の延長を求めている。

 犬は体長1メートルほどのグレーハウンド。同社は新たな飼い主を募集しているが、体が大きいうえ、年も5歳前後(平均寿命は10歳前後)が中心。子犬のように簡単には人に懐きにくく、家庭のペットとして飼うのは容易ではない。動物保護団体「マカオ愛護動物協会」のマーティンズ主席は「海外の非合法のドッグレース場に転売されるのではないか」と懸念している。(マカオ=益満雄一郎)

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