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 大阪府北部を震源とする18日の地震では、大阪大の研究施設も被害を受けた。特殊な大型電子顕微鏡が故障したほか、iPS細胞を使った心不全治療の研究にも遅れが出ると懸念されている。

 阪大の超高圧電子顕微鏡センターには、1台約23億円の大型電子顕微鏡が2台設置されている。いずれも地震で部品の脱落などが起きた。センター長の保田英洋教授(材料物性工学)は「復旧には1年ほどかかる見込みだ」と話す。

 大型の電子顕微鏡2台は高さが10メートル以上もある。このうち一台は、1秒間に1600枚の画像を撮影できる新型。全国から分析用の細胞などの試料が持ち込まれているが、当面、作業は中止になるという。

 阪大病院では、再生医療などの研究に使う細胞の培養施設が被害を受けた。同大の澤芳樹教授(心臓血管外科)らは、iPS細胞を使って心臓の筋肉の細胞を作り、重症心不全の患者に移植する計画を進めている。今年度中に最初の移植ができるように細胞を培養し始めていたが、培養液がこぼれるなどの被害が出た。細胞培養の作業がやり直しになり、澤教授は「計画の遅れをなんとか3カ月以内に抑えたい」と話している。(後藤一也)