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 大阪府北部の地震で倒れ、女児が死亡する原因となった小学校のブロック塀を巡り、学校に外部から危険性が指摘されながら、教育委員会は見過ごし、3年に1度の法定点検もすり抜けていた。同様のブロック塀は全国の学校にあり、影響は各地に広がっている。

 「きっちり確認していなかったところは、職員にも落ち度があった」

 22日午後、大阪府高槻市役所。市立寿栄(じゅえい)小学校のブロック塀が地震で倒れ、4年生の三宅璃奈(りな)さん(9)が下敷きになって死亡した事故を受け、市教委がこの日2度目の記者会見を開いた。「人災ではないか」。記者から質問が飛ぶと、平野徹・教育管理部長は市側の落ち度を認めたうえで、「否めないと思う」と答えた。

 この日の会見で、市側がブロック塀の危険性を把握するいくつもの機会があったことが、改めて浮き彫りになった。ひとつは3年に1度、業者によって実施される法定点検だ。

 市教委は会見で、法定点検でブロック塀の「違法状態」が見逃されていたことを明らかにした。直近の法定点検は2017年1月。倒壊した塀は「指摘なし」とされた。市の説明によると、業者は目視で点検したが違法性を見逃したという。その前の14年2月には、当時の業者は塀の点検すらしていなかった。業者は市教委に、10年度の調査結果を調査に「そのままスライドさせ、(点検の)対象外になった」と説明しているという。

 建築基準法施行令では、ブロック塀の高さは2・2メートルを超えてはならず、1・2メートルを超す場合は補強のための「控え壁」が必要になる。倒壊した塀は高さ3・5メートルで控え壁もなく、どちらの基準も満たしていなかった。

 外部からの指摘に耳を傾ける機会もあった。

 市教委は15年11月、講師に招いた外部の防災アドバイザーの吉田亮一さん(60)から、ブロック塀の危険性を指摘された。翌年2月、校長の依頼を受けて市職員が目視や打診棒で塀をたたいて音の変化を調べたが、ひび割れや傾きがなく、「問題なし」と判断された。

 この職員は事故後の市教委の聞き取りに、「建築基準法に違反しているという認識は、はなからなかった」と話している。樽井弘三(たるいひろみ)教育長は22日午前の会見で「認識が甘かった」と話し、「未然に事故を防ぐことができず痛恨の極み」と謝罪した。

 そもそも、ブロック塀の危険性は、かねて指摘されてきた。

 1978年6月の宮城県沖地震では、死者28人のうちブロック塀などの犠牲が18人で、子どもが多かったという。81年の建築基準法施行令の改正につながり、高さや厚さ、補強の控え壁の設置などが定められた。

 05年3月の福岡沖地震や16年4月の熊本地震でも、死者が出ているが、ブロック塀の危険性の認識は深まっていない。

 多くの「見逃し」の末、女子児童の命が失われた。国土交通省近畿地方整備局の応急危険度判定士が21日から、高槻市内の計31の小中学校で、塀の検査を始めた。今回倒壊した塀について、同整備局の担当者はこう話す。「専門知識を持った人が検査をすれば、どう考えてもおかしいと思ったはずだ」

■3年前に寿栄小で講演した防災…

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