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 熱中症による救急搬送がピークを迎える7月を前に、鳥取赤十字病院(鳥取市尚徳町)は27日、熱中症をテーマにした地域連携懇話会を開催する。懇話会は医療・福祉関係者向けの専門的なもの。そこで、一般の人もできる予防法などを、講演する医師らに事前に聞いた。

 鳥取県内で昨年の5月~10月に熱中症で救急搬送されたのは396人。年齢別では65歳以上の高齢者が61%を占めた。どこから搬送されたかをみると、住居の37%が一番多く、屋内で熱中症になる人が多いことが分かった。

 「脱水症について」を講演する内科の藤岡洋平医師によると、高齢者は加齢により体液量が少ないうえに、のどの渇きを感じにくいため、熱中症になりやすい。また、糖尿病など合併症があると、意識障害などが起こりやすくなる。

 「高齢者であれば『のどが渇いた』という訴えがなく『何だか体の調子が悪い』といった状況でも熱中症を疑ってみることも重要ではないか」と、藤岡医師は話す。

 日々の食事による熱中症予防については、田村真穂・管理栄養士が講演する。田村さんは、「カリウムやビタミンといった必要な栄養素だけを選んで摂取するのは無理。主食・主菜・副菜の組み合わせを意識して1日3食バランス良く食べるのが大切」と指摘する。通常1日に必要な水分量は2・5リットルとされるが、3食たべれば食事で1リットルの水分は確保できるという。あとは日常生活の中で1~1・5リットルほど、お茶や水を飲めばよいという。

 ここで気をつけたいのが塩分。田村さんは「高齢者は食事で塩分を十分にとっていることが多く、水に塩を入れたり、塩分を加えた経口補水液を作ったりして飲む必要まではない」と話す。

 1~1・5リットルの水分を飲むためには、こまめな水分補給をすることは大切だ。「熱中症予防の生活指導について」と題した講演をする田淵裕子看護師は、1日8回を目安に時間を決めて水分補給することを提案する。「水分補給は『のどが渇く前』が理想的。熱中症は条件次第でだれでもかかる危険性があるが、正しい予防法を知って普段から気をつけてほしい」と話した。

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 地域連携懇話会は、鳥取赤十字病院が地域医療支援病院に認定されて以降、09年から毎年2回、春と夏に実施している。懇話会の運営委員長を務める小坂博基副院長によると、今回は熱中症をとりあげることから、搬送がピークを迎える前に合わせて実施することになった。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(長崎緑子)