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 結成10周年を迎えた人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」(ももクロ)が4月21、22日に滋賀県東近江市で大規模な野外ライブを開催した。「何だ、ももクロって?」。近江商人で知られる静かなまちに押し寄せた大勢の人たち。トラブルも心配されたが、ライブは盛り上がり、無事に終わった。地元にとっては単なる一過性のイベントではなく、郷土愛を育む希望も生み出した。

 晴天に恵まれた2日間。ステージは青空の下で幕が上がり、やがて夕焼けに染まり、日が沈むと星空を花火が彩った。野外ならではの演出に3万2千人のファンは酔いしれた。「ライブをきっかけに東近江の魅力を知ってもらい、人と地域の懸け橋になりたい」とメンバーは語った。

 開催地は公募で決まった。名乗りを上げた狙いについて、市観光物産課の栗田豊一課長補佐は「人が集まり、お金が入ればそれで良いということではない。成功させ、市民が『東近江はよいまちだ』と誇れるようになることが一番大事だと考えた」と説明する。

 応募したのは昨年5月。選ばれるとは思っておらず、9月に関係者が下見に来た時も全く想定していなかった。12月に正式決定し、本格的に準備が始まったのは年明け。開催まで3カ月。近隣市町も含めた自治会を回り、渋滞や騒音が起きる可能性を説き、理解を求めた。さらにシャトルバスの発着場の確保など輸送手段を整備。会場の布引運動公園陸上競技場周辺で混雑が生じないよう、職員10人が交差点を渡る実験を繰り返し、信号が切り替わる時間を決めた。

 市内の企業も協力し、ステージや照明を固定する床面の鉄板、仮設のテントやトイレも用意してくれた。準備期間も含め1週間で約7千食分の弁当も届いた。

 「ファンを楽しませるため」と予定変更はしょっちゅう。開催前にメンバーの高城れに(紫色)が深夜のラジオ番組に出演した際、市役所の会議室を使うつもりだったが、ファンが集まれる場所がいいというマネジャーの発案で、急きょ庁舎の玄関に場所を移した。

 栗田さんは「最初からどんな要望も断らないと決めていた」。その結果、特別に設けた専用電話に苦情は1本も入らなかった。

 ライブには、市内の保育園児と保護者ら計300組を招待した。ももクロ側が用意したプロの指導を受けた地元の小学生計400人は、ステージで合唱を披露。ファンが持つ4色のペンライトの海原に向けて、メンバーと一緒にももクロの歌も歌った。ある児童の母親から「団体行動が苦手な障害がある子が、みんなと歌うことができました」とお礼の手紙が届いた。

 市は今後、ももクロのライブを開いた自治体と協定を結び、災害や観光、教育などで連携する方針だ。「ももクロサミット」を開く計画もある。栗田さんは「常に一生懸命のももクロ、そしてそれを応援するモノノフ(ももクロのファンを指す愛称)だからこそ実現できた。市民も企業も一体となって、最大の成果が上げられた。市の評判を落とさず、未来へつなげていきたい」と期待を寄せる。

 開催から2カ月以上たっても、…

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