[PR]

 世界で唯一、女性による自動車の運転が禁じられていたサウジアラビアで24日、運転を認める法律が施行された。地元メディアによると、日付が変わると、さっそく首都リヤドなどで女性の運転する車が走り、「歴史的な日だ」「運転できることを誇りに思う」などと喜びの声があがった。

 サウジでは1990年に内務省が女性の運転を認めないとする声明を出し、これが事実上の法律となった。これまで女性は通勤や買い物、子どもの送り迎えをする際にタクシーを使ったり、運転手を雇ったりしなければならなかった。

 西部ジッダに住むハーラ・アリリダさん(54)はこの日、午前7時半ごろにハンドルを握った。これまでは運転手を雇っていたが、昨年9月に解禁が発表された後、日本メーカーの紺色のSUV(スポーツ用多目的車)を購入。朝日新聞の電話取材に、「運転は快適だった。すごく満足している」と、興奮した様子で話した。

 サウジでは今月4日から運転免許証の交付が始まり、女性のための自動車教習所が開設されたほか、女性向けの車のショールームや自動車保険の窓口ができるなど、経済効果も期待されている。

 改革を主導する次期国王候補のムハンマド皇太子(32)としては、女性の社会進出による経済の活性化のほか、改革の成果をアピールすることで欧米などからの投資を呼び込む狙いもあるとみられる。

 一方、サウジでは先月以降、これまで女性の運転禁止に反対するなどしてきた人権活動家らが10人以上、拘束されている。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、活動家らは父親や兄弟の許可がなければ女性が外国旅行などができない「男性後見人制度」にも異を唱えてきた。政府が進める以上の権利拡大を求める動きは、厳しく抑え込んでいるとの見方もある。(ドバイ=高野裕介)