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 月曜の未明、各地で歓喜の声がこだました。サッカー・ワールドカップで日本は25日、セネガル相手に2回にわたって追いつき、勝ち点1を得た。決勝トーナメント進出をかけた次戦は木曜日の夜。少し眠気を抱えながら、楽しみな1週間の始まりになった。

 東京・渋谷駅前のスクランブル交差点。午前1時50分の試合終了から1時間以上、集まったサポーターによる「ニッポン」コールが響き、ハイタッチをしながら横断を繰り返す人が続出した。ソフトな語り口が売り物の「DJポリス」が「すぐに歩道に上がりなさい」と厳しく注意する場面も。

 近くのクラブで同僚3人と観戦した渋谷区の会社員鈴木隆宏さん(25)は、ハイタッチを繰り返した。「本田を信じていた。厳しい中でも勝ち点を取れてよかった。このまま朝まで飲みます」と話した。

 同じ渋谷のイベント会場にはセネガル人らが集まり、母国の伝統的な太鼓を打ち鳴らしながら試合に見入った。「日本もはんぱないけど、セネガルもはんぱないよ!」との声も飛んだ。2―2という結果に、在日セネガル人協会代表のマンスール・ジャーニュさん(54)は「奥さんが日本人なので、引き分けでよかった。一緒に決勝トーナメントに行ければ」。

 渋谷駅東口のタクシー乗り場には行列ができた。タクシー運転手の松田晋拓(くにひろ)さん(31)は、鼻血を出しながらフル出場した長谷部誠(34)のユニホーム姿で乗務。試合中は運転手仲間とエナジードリンクを飲みながら自宅で観戦していた。「さあ、これから書き入れどきだ」

 人々がカラオケ店や飲食店に吸い込まれていった午前3時すぎ。大学4年の斉藤我空(がく)さん(21)は「渋谷のゴミ、半端ないって!」と書いたボードを首から下げ、友人の大学4年、桑原翔さん(21)と交差点周辺のゴミ拾いをしていた。「よく使う渋谷をきれいにしたい」

 行き交う人と抱擁しあう「フリーハグ」をする人も。石川県の大学1年の男性(21)は「サッカーの日本戦の日はスクランブル交差点がすごい」と聞き、やってきた。「色んな人と関わりたいと思った。試合後は数えられないくらいハグした。東京ってすげえ」

 午前4時15分。JR渋谷駅のシャッターが開く。駅前で横になったりゲームをしたりして始発を待っていた若い男性らが一気に改札を通り、山手線のホームは人であふれた。

 始発電車は同37分発。都内の会社員男性(35)は約40分かけて王子駅に向かう。「あぁ、厳しい。徹夜したの何年ぶりだろ。立ったまま寝られるわ」

 埼玉県の会社員、小林寛之さん(34)は友人の結婚式に出席した後、渋谷のスポーツバーで観戦し、始発を待った。「安月給なんでタクシーは乗れないっす。シャワー浴びてすぐ仕事に行く。日本代表が頑張ってるんだから俺らも頑張らなきゃ」

 朝のJR新橋駅前。駅から出てきた横浜市在住の金融関係の会社員男性(45)は試合を自宅で見た。5時半に起き、寝たのは3時間。「一日つらいと思うが、見たかいがあった」(小早川遥平、河崎優子、平山亜理