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(24日、日本2―2セネガル サッカー・ワールドカップ)

 物静かな背番号7が、W杯で戦う覚悟を示した。

 前半26分。セネガル選手がタッチライン際で突破を試みる。MF柴崎岳が激しく体をぶつけにかかった。

 守備に秀でているわけではない。だが身体能力の高い相手の攻撃の芽を、持ち前の読みの鋭さと視野の広さで次々と摘んだ。

 そして一本のパスで、日本をよみがえらせる。前半34分。「(DF長友)佑都さんが良い動き出しをしているのが見えた」。最終ライン付近からゴール左に走り込む長友に一気にボールを送る。このパスを基点にMF乾貴士の一時同点に追いつくゴールが生まれた。

 初戦に続く、攻守ともに的確な状況判断。間違いなく、今大会の日本の躍進の中心だ。それを可能にしているのは、この26歳が備える冷静さ。自身初のW杯だが、「今の自分の力を出したい。いつも通り臨みたい」。初戦が始まる前から、その落ち着きは代表のなかでも際立っていた。

 ぶれない精神力は、欧州でよりたくましくなった。最近よく口にするのは「自信」という言葉。昨年から挑戦したスペインで当初は適応に苦しんだが、2部チームで活躍し、1部のヘタフェへ移籍。ポーカーフェイスの男も「必死です」と言ってはばからず、懸命に力をつけた。W杯前も定位置は確保していなかったが、自らの力で奪い取った。

 格上のセネガルと対等に渡り合い、得た勝ち点1。それでも試合後は、実にらしかった。「全く納得いくパフォーマンスではない。さらにできた」。柴崎の成長曲線とともに、日本のチーム力が上昇している。(堤之剛)