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 先生たちに吃音(きつおん)を正しく理解してほしい――。吃音に悩む人たちの自助グループ「三重言友会」が、三重県内の全教員に啓発パンフレットを配っている。全国でも珍しい取り組みだといい、7月13~16日に広島市である、関係者による世界規模の国際会議「吃音・クラタリング世界合同会議」で報告される。

 グループ会長の濱田一夫さん(66)によると、発達障害の一種の吃音は2~4歳で発症することが多く、成人の1%ほどがかかっているという。無理に言葉を発しようとして詰まってしまう「難発型」、語尾が伸びてしまう「伸発型」、言葉の1音目を繰り返す「連発型」に分類される。

 グループは今年4月から、東京都の教員たちが作った啓発パンフレットを三重県内の全教員に向けて配り始めた。「特に小学校の教員が吃音を正しく理解していないと、子どもの将来を大きく狂わせることになる」という思いからだ。

 県庁職員だった濱田さんは、かつて県教委に勤務していた時、「関わりのあった教員たちが、吃音が一過性のものではなく、発達障害の一つだということを意外に理解していなかった」と感じていたという。

 吃音の子どもに「落ち着いて」「ゆっくり話して」などと指導する教員は少なくなかった。濱田さんは「声を掛けられると、吃音の子どもはかえってプレッシャーに感じる。子どもが話し出すまで静かに待つことが大切だ」と指摘する。

 1987年に発足したグループには、高校生から60代までの28人が参加している。職業も会社員や公務員、僧侶などさまざま。毎月1回、同県四日市市内で例会を開き、吃音を理解してもらうために公共機関などにパンフレットを配ったり、会員同士で電話や面接の練習をしたりしている。

 グループは既に県立高校と特別支援学校の教員にはパンフレットを配り終え、小中学校の教員には、今年度中に各自治体の教育委員会を通じて配る予定だ。濱田さんは「吃音がいじめにつながるケースは多い。正しい知識を持つ教員が、子どもたちを丁寧に指導できる環境を整えたい」と話す。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(安田琢典)