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 今年の成人式を前に突然店を閉じた着物店「はれのひ」(横浜市)が、2015年9月期決算を粉飾して債務超過を隠した後、1年ほどの間に約6億円の融資を受けていたことが捜査関係者への取材でわかった。このうち、約3億円が返済されていないという。

 神奈川県警は、融資の一部の詐欺容疑で逮捕した元社長の篠崎洋一郎容疑者(55)が、繰り返し融資を引き出しては返済に回していたとみて調べている。

 捜査関係者などによると、同社は店舗の拡大で金融機関からの借入金がかさみ、15年9月期決算で債務超過に陥った。しかし、約5千万円の架空の売り上げを計上するなどして債務超過を隠し、16年9月までの間に、10の金融機関から18回にわたって計約6億円の融資を受けていたという。融資の名目は新規の出店費用や当面の運転資金などとしていた。

 篠崎容疑者は、このうち16年9月に横浜銀行(横浜市)から3500万円の融資をだまし取った疑いで逮捕された。決算の粉飾のほか、横浜銀行から提出を求められた書類には、過去の仕入れ費用を実際より約5千万円分少なく記入。新店舗の収益見通しを過大に見積もった計画書も作り、こうしたうその内容で融資を得ていたという。

 同社は、多くの新成人が晴れ着を着られなくなった今年1月の騒動後に、破産手続き開始が決定した。借入金残高は4億円以上にのぼるという。(神宮司実玲、伊藤和也)