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 世界の「楽園」をテーマに撮影を続ける写真家・三好和義さんの写真展「天平の楽園 東大寺と正倉院」が7月3~13日、奈良・東大寺の本坊で開かれる。東大寺の歴史の中で、中心的施設の一つであった本坊での写真展は初めて。100畳ほどの大広間に作品70点が並び、1200年以上の時を越えてよみがえった「天平の楽園」を見ることができる。大仏殿を天頂に、夜空の星たちが回転する軌跡を写した作品は、盧舎那仏(るしゃなぶつ)を中心に雄大な時間の流れを暗示しているようだ。

 会場には東大寺の四季や修二会(しゅにえ)に臨む練行衆(れんぎょうしゅう)の様子など、文化財としてではなく、生きた仏教文化を感じさせる作品が多い。

 また、国宝・四天王立像(りゅうぞう)など、仏像たちに大胆に迫ったアングルが目立つ。見た者はその迫力と緊張感を感じずにはいられない。

 正倉院が所蔵する宝物の写真も、普段は見られない貴重なもので、細部の美しさに、いにしえの人々が込めた思いまで伝わるようだ。

 三好さんが写真を始めた中学生の時、被写体に選んだのが奈良の古寺。その後、入江泰吉、土門拳など先人たちの作品に触れ、「いつかは東大寺を撮れるような写真家になりたい」と心に決めていたという。昨秋から奈良に移り住み、古都の空気を感じながら撮影に集中してきた。その思いが結集された写真展となっている。

 東大寺本坊は南大門を入り右手にある。拝観料が必要で中学生以上500円。午後1時と午後3時(最終日は午後1時のみ)には、三好さんによる作品解説もあり、軽妙なトークによる撮影秘話も楽しめる。

 問い合わせは東大寺(0742・22・5511)。(森井英二郎)