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 バーレーンで開かれているユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は30日、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本両県)を世界文化遺産に登録することを決めた。国内の文化遺産は昨年の「沖ノ島」に続き18件目。自然遺産とあわせると22件となる。

 登録されるのは、江戸幕府がキリスト教を禁じた17~19世紀に、伝統的な宗教や社会と共生しながらひそかに信仰を守り続けた「潜伏キリシタン」が育んだ独特の文化的伝統を示す遺産群。禁教が本格化するきっかけとなった島原・天草一揆の舞台だった原城跡や信仰を集めた離島も含む集落や集落跡、潜伏キリシタンが宣教師に信仰を告白した大浦天主堂など、12の構成資産すべてに「顕著な普遍的価値がある」と認めた。

 同遺産をめぐっては、2015年に政府が「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として推薦書を提出したが、ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」から禁教期に焦点を当てるべきだと指摘された。政府はいったん推薦を取り下げ、禁教期と関係が薄い2資産を除いて練り直して昨年、推薦書を再提出。今年5月に諮問機関が「登録」を勧告し、実質、2度目の挑戦が認められた形だ。

 一方、同時に国内から世界自然遺産への登録を目指していた「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島、沖縄両県)は、ユネスコの別の諮問機関から5月に抜本的な見直しを迫る「登録延期」を勧告され、6月、推薦を取り下げた。早ければ来年にも推薦書を再提出することを目指している。

 国内からは、来年の世界文化遺産候補として「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」(大阪府)を今年1月に推薦している。(上田真由美)

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 〈長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産〉 2007年、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として暫定リストに記載されたが、政府は13年、「明治日本の産業革命遺産」の推薦を決定。教会群は15年にユネスコへ正式推薦書が提出されたが、翌年、「禁教の歴史の特殊性に焦点を当てるべきだ」とするイコモス(国際記念物遺跡会議)の指摘を受けて推薦を取り下げた。潜伏時代をクローズアップする形で推薦書を練り直し、名称を変更した上で17年、正式推薦書がユネスコに再提出された。

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 〈世界遺産〉 1972年の世界遺産条約に基づき、各国政府の推薦の中から、国際記念物遺跡会議(イコモス)などの審査と勧告を経て、21カ国でつくる世界遺産委員会が年1回、「顕著な普遍的価値」や「真正性」、保全措置などを検証したうえでリストに載せるかどうかを決める。世界遺産の総数は、文化遺産832件、自然遺産206件、両方の価値を備えた複合遺産35件の計1073件(昨年7月現在)。

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日本の世界遺産

  登録年 記載物件名

1993年 法隆寺地域の仏教建造物(奈良)

    同 姫路城(兵庫)

    同 屋久島(鹿児島)*

    同 白神山地(青森・秋田)*

   94年 古都京都の文化財(京都・滋賀)

   95年 白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜・富山)

   96年 原爆ドーム(広島)

    同 厳島神社(同)

   98年 古都奈良の文化財(奈良)

   99年 日光の社寺(栃木)

2000年 琉球王国のグスク及び関連遺産群(沖縄)

   04年 紀伊山地の霊場と参詣(さんけい)道(三重・奈良・和歌山)

   05年 知床(北海道)*

   07年 石見銀山遺跡とその文化的景観(島根)

   11年 平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的      遺跡群(岩手)

    同 小笠原諸島(東京)*

   13年 富士山―信仰の対象と芸術の源泉(山梨・静岡)

   14年 富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬)

   15年 明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産      業(福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島・山口・岩手・      静岡)

   16年 ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著      な貢献(東京・国立西洋美術館)

   17年 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡)

   18年 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(長崎・熊      本)

*は自然遺産