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 米政治学者のイアン・ブレマー氏(ユーラシアグループ社長)は朝日新聞などの取材に応じた。米国が保護主義的な行動で国際社会での役割を低下させている現状について「日本にとって非常に悪い状況だ」と分析。日米関係も悪化に向かうと予測した。

 ブレマー氏は「世界がリーダー不在の『Gゼロ時代』に入った」と以前から主張してきた。トランプ米大統領が、Gゼロに向かう世界の潮流を加速させたと分析し、「Gゼロのもたらす混乱は想像よりはるかにひどかった」と述べた。

 通商問題をめぐる米国の孤立ぶりが際だった6月上旬の主要7カ国首脳会議(G7サミット)については「過去最悪のG7だった」と振り返った。「日本は米国が主導する多国間の制度から利益を得てきたが、その米国が弱まる一方、中国が強力になりつつある」と、日本を取り巻く環境は悪くなりつつあると指摘した。

 トランプ氏が「二国間の貿易協定」を求める姿勢を崩さず、日本からの輸入車への高関税措置もちらつかせていることに触れ、日米関係は「今後悪化する」と分析した。

 一方で、日本については「先進国のなかで例外的にポピュリズムの台頭から免れている。きちんと機能している世界最大の民主主義国だ」と評価した。中国との軍事的な競争は得策ではないと述べ、ソフトパワーの強化や、インドや東南アジアとの連携が重要だと訴えた。(ワシントン=青山直篤)